小児歯科
小児歯科
大人と子どもの歯科治療での大きな違いは、発育途中にあるかどうかです。成長期で歯や顎の骨が発育途上にある子どもと、永久歯が揃っている大人、とでは治療方針を決定する上で、大きな違いがあります。子どもの治療方針を決定する上で「正常な発育」を誘導することを第一に考え、永久歯を正しい位置へと導き、噛み合わせを含めた骨格形成をサポートする必要があります。
そんな繊細な子どもたちの歯を専門に診るのが小児歯科になります。小児歯科は、多くは0歳から12歳くらいを対象にしていますが、私は18歳位までを対象と考えています。乳歯は永久歯より柔らかくて虫歯になりやすいうえ、虫歯の進行も早い。生え変わり間もない永久歯も同様で、柔らかく虫歯になりやすく、進行も早いので日ごろから気を付けることが大切です。
残念なことに、乳歯だから虫歯になっても問題ない、永久歯という代わりがあるから大丈夫と認識されている方も少なくありません。その考えは大変危険です。乳歯には丈夫な永久歯が生えるための準備や、永久歯を正しい位置に導くといった役割があります。その他にも、顎の骨の成長や知能の発達、正常な噛み合わせにも影響を及ぼしています。さらに、虫歯は感染症であるため、虫歯がある状態で抵抗力の弱い新しい永久歯が生えてくると、永久歯が虫歯になるリスクは高まります。小児の歯科治療は成長に合わせた適切な治療や予防を行うことで、健全な発育を歯から支えていくのです。
虫歯は感染症だとご存知ですか?
虫歯や歯周病が感染症であることは随分と周知されるようになってきましたが、子どもたちを虫歯から守る観点から今一度考えてみたいと思います。
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、虫歯菌はいないと言われています。虫歯菌を持っている大人と、キスなどの、お口のスキンシップを通してお子さんに虫歯菌がうつり、虫歯に感染してしまうのです。
虫歯菌に感染しやすい時期は、生後1歳7ヶ月~2歳7ヶ月の間です。
予防策としましては、この感染しやすい時期に、お子さんと同じ箸やスプーンを共有しない、離乳食の際に噛み与えをしないなど、お口のスキンシップを控える事です。そうすることで成長した時の虫歯の本数を少なくすることができるのです。また虫歯菌がうつってしまったかどうかなんて分からないですよね。うつさないことと同時に、日頃の歯ブラシ習慣も大切になってきます。小さい時は一緒に歯みがきを行うとともに、ちゃんと磨けているか確認と仕上げを、ご両親でしてあげましょう。また、小児歯科で定期検診やブラッシング指導を受けるのもオススメです。
お子さんへの虫歯菌の感染に十分注意しながら、成人まで虫歯のない健康な歯を維持することができた場合、一生虫歯のない健康な歯でいられる可能性が高いということがいえます。
小さい頃から虫歯にならない習慣を身につけていきましょう。